【高校野球】各地で1年生が大活躍 その背景にあるものは?

情報の多様化でトレーニングや理論、指導者がレベルアップ

 第98回夏の甲子園の地方大会も大詰め。各地で代表高校が続々と決まっている。今年の夏は「スーパー1年生」という言葉が多く飛び出した。早稲田実の1年生4番・野村大樹内野手、横浜高校の万波中生外野手は、夏の公式戦1号を放った。再来年の100回大会の3年生になる世代は、大会前から注目を集めてきた。

 数ヶ月前まで中学生だった選手が、なぜここまで好結果を残すことができるのか。大体の選手は中学校時代(シニアやボーイズなど)、すでに全国大会などに出場経験があり、自分に自信を持ってプレーできている。U-15日本代表など、世代のトップとして国際大会などを経験。高校入学時点で度胸も人一倍大きい選手も多い。また、情報の多様化で、ジュニア期の選手でも高いレベルのトレーニングやフォーム、考え方、取り組みをウェブや書籍などで知ることができる。指導者のレベルが上がっているのも、1つの要因だろう。

 ただ、一番大きいのは、伸び伸びとプレーできている環境作りにある。兵庫の名門・報徳学園の小園海斗内野手は1年で遊撃のレギュラーを獲得し、1番打者で起用されると、非凡な打撃センスを見せた。報徳は準々決勝で市尼崎に敗れ、惜しくも甲子園出場はならなかったが、「1日でも3年生と長く野球がやりたかった。もう一緒にできないと思うと悲しい」と負けを悔やんだ。1年生がレギュラーに割って入ってきても、上級生はそれを受け入れ、試合に挑む小園に「1年なんだから、思い切って全力でいけ」と背中を押し続けた。小園は「『失敗してもカバーしてやる』とか、『気持ちを切り替えろ』とか、すぐに声をかけてくれて、とても助かりました」と感謝する。

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