西武大石が激白、どん底からの“復活”「余裕はない。結果を残すしかない」
「投手は相手があってのこと。投げたいのに投げられないのが一番辛かったです」
――思うように球が投げられなくなってしまった原因は何だとお考えですか?
「フォームを変えてしまったことだと思います。入団後に先発と言われて、自分で勝手に『変えなくちゃ』と思って変えてしまいました。それは何を言ってもしょうがないので、自分のせいだと思います。球種を増やそうと、カーブを覚えようとしましたが、思うように曲がりませんでした。曲げようと思ってフォームを変えていったら、真っ直ぐもいかなくなってしまいました。変えずにやってみて、壁にぶち当たってから変えればよかったと思っています」
――今シーズンの投球内容は、自信につながっているでしょうか?
「結果が残ることは自分でも嬉しいですが、自信につながっているわけではないです。今は試合数もイニング数も少ないですし、1年間を通して結果を残していないので、自信は今もないです。シーズン終盤まで今の状況が続いていけば、来年やっていけるかなという自信になると思います。今は毎試合、ドキドキしながら投げています。試合で投げる時は、もう後がないですし、今自分の一番いいボールを投げているので、それで打たれたら仕方ないという気持ちでマウンドに上がっています」
――大学時代から先発へのこだわりはありましたか?
「正直そこまではなかったですね。あの時は、斎藤(佑樹=日本ハム)と福井(優也=広島)というしっかりとした先発2人がいたので、自分はそこしかないなと思ってやっていました」
――高校3年の時の夏の甲子園福岡県大会初戦で、サヨナラ押し出し四球を与えて敗戦しました。その後に大学で活躍されましたが、悔しさをバネにプレーしていくという意味で、勉強になったことはありますか?
「高校の時は悔しかったですけど、今ほどの悔しさではないんです。その時は結果として駄目でしたけど、体的には全然問題なかったですし、フォームも気にしていなかったのでただ『負けた、悔しい』というだけでした。今は去年、一昨年とずっと投げられない悔しさがあったので、それが本当に辛かったです」
――マウンドに上がれずに野球を辞めたくなったことはありましたか?
「おととしは特にそんな感じでした。去年はまだ良かったので、もうちょっと頑張ろうって。とりあえず今年1年頑張ろうっていう感じでずっとやってきました。自分で辞めたいと思っても、この時期に球団に『辞めます』って言って、すぐにクビになるわけではないですし、『契約してもらえたからもう1年頑張ろう』と、1年1年頑張ってきました。去年は少し投げられるようになって、気持ちも変わってきました」
――結果が出ないことよりも、思うように投げられないことが一番辛かったですか?
「そうですね。結果は、どんなにいいピッチャーでも打たれるし、相手があってのことなので。投げたいのに投げられないのが一番辛かったです。今年は去年、一昨年に比べれば投げられていますし、結果もある程度出せているので、そういう気持ちはあまりないです」