西武大石が激白、どん底からの“復活”「余裕はない。結果を残すしかない」
生き残っていくために「結果を出すしかない」
――同世代にはプロで結果を残している選手が多いですが、そういう選手の活躍は気になりますか?
「そんなに気にしてないですね。すごいなと思って見ています。去年の秋山の最多安打など、気になるというよりは『すごいな』と思います。周りを気にしている余裕はなくて、まず自分なので。ファームにいる時は1軍の試合結果も全く見ませんでした。とにかく、自分のことに集中しました」
――自分のいい時の姿が今年は見えるようになってきましたか?
「そうですね。まだまだですけど、一時期よりは近づいているかなと思います。毎年、11月、12月は完全オフにしていたんですけど、去年は12月の中頃に沖縄に行って、肩を作ろうと思って早めに始動したので、それが良かったのかなと思っています。これで結果が残れば間違ってなかったなと思って、来年も同じ流れでやれると思います。でも、まだどうなるかは分からないので…」
――2014年には野手転向を打診されたという報道もありました。本当にそういう話はあったのでしょうか?
「あれは、だいぶ大げさに書かれていて、別に球団から打診があったわけではありません。潮崎ヘッドコーチが2軍監督だった時に、冗談で『おまえ野手転向って言われたらどうするんだ』とは言われましたが…(笑)」
――大学時代にはショートもやられていました。野手に対する想いはありますか?
「全然ないですね。ずっとピッチャーが昔からやりたいと思っていたポジションなので。そこまで思い入れはないですね」
――小さい頃から野球だけをやられていたのですか?
「習い事としては野球だけですけど、昼休みの遊びでサッカーとかもやっていました。中学校の時は他の部活から勧誘とかもありました。サッカーとかバスケとかでしたけど、その学校の部活が弱かったので、それでですね。大学の時もバレーの授業を受けていたらバレー部の人に『野球部よりも絶対にこっちのほうがいいから来い』と言われて。それにはびっくりしましたね。その人は自分が野球部で試合に出ていると知らなかったので、『一応レギュラーなので』と言ったら『そうなんだ』って言っていました(笑)」
――投手として生き残っていくためには何が必要だと思いますか?
「結果を残すしかないと思っています。どういう投手というよりも、1イニング1イニングをゼロに抑えていくしかないので、余裕は全くありません。結果を出してマウンドから降りると、かなりホッとします。結果を残すしかないので、開き直ってやっています。それをずっと続けられれば、周りも見えてきて余裕も出てくると思いますが、今はまだありません」
――チームは苦しい状況ですが、後半戦目標としているところは何ですか?
「30~40試合は投げたいと思います。防御率もいい数字を残したいです。やはり、チームの勝ちに貢献したいですね。接戦で投げさせてもらえるようになってきているので、勝ちパターンで任せてもらえるようになりたいです。結果を残せば、自然とそのポジションにつけると思うので、今は結果を残すだけです」
【了】
篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki