野球とゴルフ、野球とアイスホッケー…垣根を超えるノウハウの共有

野球界にとどまらない他競技へサービス拡大で、スポーツ界全体の発展に

 30球団の共同出資で創設されたMLBAMの他競技進出はゴルフだけにとどまらず、8月にはプロアイスホッケーリーグのNHLとも複数年契約を結んだ。ホッケーリーグのオンラインコンテンツを野球のMLBAMが統括するのは、不思議な構造ではある。それだけMLBAMが野球で培った動画配信技術を基に、オンラインコンテンツを熟知している表れだろう。

 そして、今年に入ると6月にはウォルト・ディズニーカンパニー傘下のスポーツ専門チャンネル「ESPN」がMLBAMの33%の株を買収。今後はESPNもオンラインストリーミングを強化することが予想される。

 米国でも、野球界からスタートした動画配信の技術が競技の垣根を超え、スポーツ界全体によりよいサービスを提供することとなった。1つの業界にとどめておくだけではなく、他競技にそのサービスやノウハウを共有することで、さらなる相乗効果が生まれる。日本でもPLMが先駆けとなり、ゴルフ界との実験を行ったことから、今後さらに他競技へ広がっていくことが期待される。

 動画配信技術だけでなく、これまで多くのプロモーションやチケットの売り方まで、さまざまなサービスが競技の垣根を超えて共有されてきた。面白いものは取り入れる。他競技でもあっても、より良いサービスをファンに届けることができると思えば、協力を要請する。そのような流れがスポーツ界全体でこれからさらに広がれば、スポーツ界としてより良いサービスがファンの元へ届いていくのではないだろうか。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

新川諒●文

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