【特別対談】武田翔太、プロ5年目で見せる安定感の裏側に迫る
肩を痛めた2014年「自分の体が弱すぎることが本当に悔しかった」
野村:去年は4年目にして初めて2桁勝利に届いた。それまでも投げればいい投球をしていたから、2桁に届いてもおかしくなかったと思うけど……。
武田:故障らしい故障はないんですけど、弱かった。1試合というより、1年間の肩肘の体力ですね。2014年に疲労で肩を痛めたんですけど、その時、自分の体が弱すぎることが本当に悔しかった。そこからトレーニングを見直して、自分なりにデータをとって注意を払うようにしました。
野村:どういったデータを取っているの?
武田:エコー検査で筋肉の疲労度とかチェックできるんですよね。僕の主治医の先生が、その検査をしてデータを取る方なんですが、今は球団でもその機械を導入して、定期的にチェックできるようになりました。それで、筋肉の太さや収縮率みたいなものが、一定の数値以下になったらボールは触らないとか、自分の感覚だけには頼らないことにしています。
野村:それが去年の2桁勝利につながったんだ。
武田:そうですね。それに気を遣うようになってから、肩肘に大きな問題はないです。最低ラインは怪我をしないこと。常にパフォーマンスを上げることに意識を集中させることができるようになりました。