ロッテ石川、セミの飛来でノーヒットノーランを逃す

無安打無得点の6回1死、マウンドに「苦手」セミが出現→直後に初安打許す

 ロッテ石川歩投手が12日のソフトバンク戦で、あわやノーヒットノーランのスーパーピッチを見せた。

 ハーラートップ12勝の和田との投げ合いで、ソフトバンク打線をわずか2安打に封じた。9回を投げて107球。7月12日オリックス戦以来、今季2度目の完封で12勝と最多勝に並んだ。

 初回、2回と3者凡退に封じたが、序盤のストレートの走りには満足しておらず「前回(11勝目を挙げた5日オリックス戦)の方がよかった。3回にランナーがセカンドに行ってから、(フォームのバランスが)よくなった」と振り返る。

 3回に先頭福田を歩かせ、鶴岡の犠打で1死二塁になったところで、ギアを上げた。今宮を内角145キロの速球で詰まらせて三飛に打ち取ると、1番・川島をこの日最速150キロの速球で見逃し三振。6回1死まで無安打投球を続けると、バックも5回に三塁線を破りそうだった打球を細谷がダイビングキャッチ。井口もハーフバウンドの難しい送球を好捕するなど、好守連発で大記録の予感を漂わせた。

 ノーヒットノーランは「全く考えていなかった」という石川は、6回にまさかの“天敵”が出現し、リズムを崩した。実は、虫が大嫌いという石川。1死から打席に立った川島をカウント2-2と追い込んだところで、マウンド上にセミが飛んできたことに動揺。審判に申し出て、すぐにセミを回収してもらったが、「子供の頃は大丈夫だったが苦手。大人になって怖いです。触れない」と心臓の高鳴りは収まらず。その直後に三塁内野安打され、大記録を逃してしまった。

 それでも完封で、ソフトバンク戦に今季初勝利。メジャー帰りの和田との息詰まる投手戦を制した。「和田さんをイメージして投げました」と、目の前の相手先発を手本にした快投だった。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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