【高校野球】盛岡大付が初の甲子園2勝 152キロ右腕に打ち勝つ原動力となった2試合
2試合で24安打19得点、「甲子園で勝ちぬくためには打てるチームを」
そして、2年前の夏の経験も忘れてはいない。あの時も2勝目を目指して戦った。しかし、結果は無残にも大敗だった。
2014年の夏の甲子園。松本裕樹投手(現ソフトバンク)を擁して、岩手を制した。選手権でも優勝候補だった東海大相模(神奈川)を初戦で破り、勢いに乗るかと思えた。しかし、続く試合で敦賀気比(福井)に1-16と惨敗した。
試合後、関口監督は「もう1度、打てるチームを作ってここに戻ってきたいと思います」と悔しさをにじませた。「夏、甲子園で勝ちぬくためには打てるチームを作ってこないといけない」。指揮官の挑戦は始まった。
「近距離バッティングというものを取り入れました。打撃練習でマシンを11メートルに設定して、木製バットで打つ。速いボールをそれも芯でとらえなければ、そりゃ、もう腕が痛いです」
本来、マウンドと本塁の距離は18.44メートル。約7メートルも近ければ、体感速度は全く違う。守備練習をしないで、打撃練習だけの日もある。選手たちも打撃力に自信を見せる。地方大会のチーム打率は3割9分5厘。捕手の伊藤勇貴が6割3分6厘をマークするなど、5割超えが4人もいる。とにかく打って打って打ちまくる。どこからでも点が取れる打線が完成した。
この夏、甲子園は2試合で24安打19得点。強力打線で同校初の甲子園2勝を手にした。次戦は選抜王者・智弁学園(奈良)を打ち破った鳴門(徳島)との対戦が決まった。もはや勢いではない。全国屈指の好投手たちとの対戦が待ち遠しい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count