「イチローは殿堂入りすべきか」を検証!? 米メディアが“粗探し”の末に称賛

イチローが切り拓いた道、「イチローがいなければ多くの日本人選手が来ることはなかった」

 イチローは42歳の今も体型を維持し、スピードに衰えは見えない。本人は3000安打達成後の記者会見で「残念ながら(自分の)スピードは上がってしまっている」と、自信に溢れた口ぶりで明かしている。年齢という概念を超越した存在だ。

 また、ヤンキース時代にチームメートだったデレク・ジーター氏は、自身の運営するウェブサイト「プレイヤーズ・トリビューン」でコラムを掲載し、「イチローについて何よりも称賛したいことは、一貫性に関するモデルであるということだ。それは、見過ごされてしまいがちだが、重要なものなんだ」と言及。第一線で活躍し続けることがいかに難しいかを同じスター選手として強調していた。日々の入念なケアを怠ることなく、想像を絶する努力で今も進化を続けるイチローは、間違いなくスペシャルな存在だと言えるだろう。

 そして、記事では最後に「イチローは野球の歴史になくてはならない存在」という項目を用意。「イチローがいなければ、MLBに多くの日本人選手が来ることはなかっただろう。アフリカ系アメリカ人やラテン系の選手が野球の歴史の一部であるように、ヒデキ・マツイやユウ・ダルビッシュ、ヒサシ・イワクマのような選手は、野球文化にとって不可欠の存在だ」と称えている。パイオニアは間違いなく野茂英雄氏だが、イチローの圧倒的な実績が、日本人選手への見方を変えたことは確かだ。

 結局、イチローの粗探しを目的に始まった記事も、最後はイチローを称えざるを得ない状況に。「他の選手ならまだしも、ここでは球史になくてはならない選手の1人、イチローの話をしてきた。彼は殿堂入りするし、(投票権を持つ)BBWAAは正しい判断をするに違いない」と、殿堂入りを保証する結論で締めくくられた。

 米野球殿堂入りの資格を得られるのは現役引退から5年後。50歳まで現役を続ければ、クーパーズタウン行きは遥か先の話となる。ただ、殿堂入りが実現することで、すでに球史に名を刻んでいるイチローが伝説の存在となることは間違いない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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