ロッテ唐川、怪我を経て掴んだ確信 「試行錯誤の延長線上に今の僕がある」

大きかった名伯楽との出会い

 チームがCSファイナルステージまで進み、盛り上がりを見せる中での8月以降の空白期間。唐川は自分を見つめ直すことに徹した。ビデオを見た。そして2軍の小谷正勝投手コーチに教えを乞うた。横浜、ヤクルト、巨人などで投手コーチを歴任。数々の名選手を育て上げた名伯楽のピッチング理論は興味深かった。

「投げる動作では上半身と下半身や肩と肘など体の連動が大事。手首を走らせてボールに力を込めるために、どうすればいいのか。どのように体を使う必要があるのか。小谷さんに話を聞いて、時間をかけていろいろと議論をさせていただきました」

 ボールをもっともっと力強く、勢いよく投げるためにはどのようなフォームで、どのように投げる事が必要なのかというメカニックを探求した。その作業に没頭をしていると、不思議と焦りは消えていた。振りやすさを追求して腕を少しだけ下げてみた。ピタリとはまるポイントがあった。大きな発見だった。

「周りの人の考えは別として、自分の中で過去を否定するつもりはない。やってきたことは間違いだったと思っていないし、その積み重ねや、いろいろ試行錯誤した中で、その延長線上に今のボクがある。去年のあの時期はもう一回、しっかりと自分は投手としてどうしていけばいいのかを考えようと思っていた。見つめ直すいい期間だと思って、日々を大事に過ごしました」

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