高校よりも大学 米国では大学スポーツが「狂気」を生み出す

高校球児の実力発揮の場は、MLBスカウトが集まるショーケース

 エリアコード・ゲームズに参加するためには、まずMLBスカウトたちによる推薦でトライアウトに招待される必要がある。そして、各地でトライアウトが開催され、毎年3000人以上が参加する。そこで、8月に開催されるエリアコード・ゲームズに選出される200人ほどの枠を争うのである。

 このようなショーケースの場はいくつか存在し、メジャーリーグのスカウトや首脳陣たちにとっては次世代のメジャーリーガーを一度に見ることができる場である。そういった点では甲子園大会に似た要素はあるかもしれない。

 高校時代を共に過ごした仲間と目指す甲子園ではなく、個人が上の舞台を目指すために足を運ぶ。移動費などの費用はかかってくるものの、広い米国でスカウトの目にさえ留まれば、誰にでもチャンスが訪れる。各MLB球団が各地にスカウトを雇用する所以でもあるだろう。

 米国では高校スポーツは甲子園のような注目度の高い全国大会は存在しないが、大学スポーツにおいては国中が虜になる大会が存在する。それがNCAAバスケットボールトーナメント、俗に言うマーチ・マッドネスだ。毎年3月に開催されており、直訳すれば「3月の狂気」であり、そのすさまじさを物語る。この時期には多くのスポンサー企業がコマーシャルを制作したり、さらに大統領が全米放送のスポーツチャンネルで優勝予想を発表したりするなど、米国国内では大きな盛り上がりを見せる。

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