広島・黒田が「開き直って」7回零封 野茂英雄氏に並ぶ日米201勝
悲願Vへ「1試合でも多く、自分らしいピッチングをしたい」
広島の黒田博樹が20日のヤクルト戦に先発し、7回無失点の好投で8勝目を挙げた。7月23日に日米通算200勝目を挙げて以来、約1か月ぶりの勝利は、野茂英雄氏の日米通算201勝に並ぶ記録となったが、お立ち台で黒田は、「ここまできたら個人の戦績よりも、チームが勝ったことの方が大きい」と、優勝に向けてひた走るチームの勝利を喜んだ。
初回に2安打を許したが、相手の盗塁死などもあり、ピンチをしのぐと、2回以降は与えた走者は四球の1人のみ。その走者も併殺打でアウトにし、7回までの6イニングを打者18人で抑える完璧な投球を見せた。
それでも黒田は、「今日はブルペンから体が重かった。いつも以上に思ったようなボールがいかなかった」と、万全ではなかったことを明かした。2回以降も、「特に何も変えていない」という黒田だが、「開き直って、石原のリード通りにテンポよくいくしかないと思った」と気持ちを切り替え、「そこからはいいテンポで低めに投げられた。ストライクを欲しがらずに投げられたのもよかった」と、好投を分析した。
7回まで投球数は88球。完投も期待できるペースだったが、8回からはジャクソン、中﨑の必勝リレーに後を託した。黒田は、「球数的にはまだいけたが、チームとしての(継投の)形もあるし、次の登板もある。コーチと話し合った結果」と降板には納得した様子だった。
7月23日以降、3試合に先発したが、勝ち星はなく2敗を喫した。「ここ何試合か、調子がいいと感じたことはない」という黒田だが、「これから精神的なことも含めて、しんどい部分はあるが、調子に関わらず投げていかないといけない。その中で1試合でも多く、自分らしいピッチングをしたい」と、チームだけでなく、自らにとっても悲願であるリーグ優勝に向け、自らを鼓舞していた。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo