先制弾で打線に火をつけたSB柳田、試合前は「野球したくないな、と」
前日のプレーを引きずるも「試合に入ると普通にできた」
26日のロッテ戦、初回に2試合連続となる15号ソロを放った柳田悠岐。それをきっかけにソフトバンク打線は11点を奪う猛攻を見せ、柳田自身もマルチ安打で4打点を記録した。
前日の楽天戦では、9回に茂木の逆転ランニングホームランを許すプレー。一夜明けたこの日も「逆転されてスアレスにも負けをつけたし、チームにも迷惑をかけた」ことをずっと引きずっていた。お立ち台では「昨日やらかしたんで」と語ってファンの笑いを誘ったが、実際には「試合前には野球したくないな、と思った」という。
「それでも試合に入ったら普通にやれたんで。(1死二塁、三塁の)第2打席も一塁ゴロだったけど、(中村)晃がしっかり走ってくれて点になった。打撃の内容はゴミでしたが、今はそんなこと言っている時期ではないんで」
この日の試合でも、鋭い打球を含めてセンターの守備機会が3度あったが、工藤公康監督は「昨日と同じような打球もあったけど、怖がることなく果敢に前に来て捕ってくれた」と柳田の心の強さを称えた。それを伝え聞いた柳田は「みんなからは『ナイスキャッチ』といじられましたよ」と報道陣を笑わせた。
2試合連続の本塁打にも「(打撃好調という)手応えはないです」と語る柳田。「チームが勝てれば何でもいい。とにかくこれからもチームの足を引っ張らないように」と、残り試合での“控えめな”目標を口にした。
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藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura