【U-18アジア選手権】「完全試合から目指している」履正社・寺島が世界で見せた度胸の強さ
小枝監督も絶賛「どうしても落とせないんだよっていうところでは、彼ですね」
打席に立つのが、格下の香港だろうが中国だろうがお構いなし。力強くキレのある速球を外角に決めると、今度はスーッと伸びるような速球でバットを振らせる。遊び球や無駄のない勝負の仕方は、メジャーの投手に近い。1球目から降板まで、ほとんど表情を変えずに淡々と自分の投球に徹する。互角の相手や格上の相手に対して全力で立ち向かうことは誰にでもできるが、格下の相手にも手を抜かずに同じ心持ちで臨めるか。自分との戦いとも言える場面で、ほぼ完璧な結果を残すのは、プロでもなかなか難しい。
先発のマウンドに上がるたび、寺島はいつも「完全試合」を狙いにいっているという。
「まずは一番上の完全試合から目指しています」
中国戦を7回無安打13奪三振無失点に抑えても、1四球を与えたことが「悔しかったです」と無念そうに言った。目標は完全。そこに至らなかった登板は、いくら内容がよくても、少しの悔しさが入り込む。
U-18アジア選手権は、残すところあと2戦。国際大会を経験して、さらに磨きが掛かったタフさを持った寺島が、5年後10年後、どんな投手に成長するのか楽しみだ。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count