【U-18アジア選手権】元中日右腕を父に持つ遊撃手がベストナインに 「玄人好み」の好守でV貢献
「自分は脇役」も印象に残るプレー披露、指揮官も高評価
印象に残るプレーはいくつもあった。特にセミファイナルの中国戦。打席では試合を動かすスクイズを決め、守備でも三塁手がバウンドに合わずボールを後逸した際に素早いカバーリングと強肩でアウトにして見せた。小枝監督が「佐藤が本当によくボールをさばいてくれている」と絶賛したほどだ。6試合を1失点で終えられたのは、高い守備力と決して無関係ではない。少ない好機をものにして守り勝つというチームの戦い方にピタリとはまった。
佐藤自身も自分の立場と役割をわきまえていた。「自分は脇役だと思っているんです。コツコツとピッチャーが打ち取った球を確実にアウトにするのが仕事。地道なんですけど、それをキッチリやることを意識しています。捕れるところは確実に捕って、肩に自信があるのでぶれない送球と難しい体勢からも力強く投げることができると思います」。その言葉通り、日本のショートストップを守り切った。ショートにボールが飛べば安心して見ることができた。
この代表チームからプロを目指す選手も多いが、佐藤は大学に進学し、さらに技術を磨く。寺島、今井、堀らを中心とした投手陣が思い切って投げられたのもバックを信頼できたからこそ。佐藤の働きは非常に大きかった。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count