【U-18アジア選手権】決勝打はイメトレの賜物 日本を頂点へと導いたMVP納の心理

「ベンチの中までみんなが喜ぶ姿までイメージしてます」

 強豪・智辯学園に入学し、甲子園をはじめレベルの高い手に汗握る場面を何度も何度も経験した。伝統校で教わったのは「周りが緊張するような場面でも、しっかり自分を見失わずに、いつも通りのプレーをすること」だという。「国際大会でも智辯学園の教えが生きました」と誇らしげに胸を張る。

 例えば、1点を追う9回裏2死一、二塁。長打で同点、一発で逆転サヨナラという場面で、納は「自分のところに打席が回ってこい」と願うタイプだという。「自分が決めてやる、自分のところに回ってこいってワクワクしますね」という強心臓。試合前、そして打席へ向かう前にはイメージトレーニングを欠かさない。

「自分のヒットで点が入って、ベンチの中でみんなが喜ぶ姿までイメージしてます」

 決勝戦は、頭の中で何度もイメージしたシーンが現実となった。国際大会での優勝が掛かった大事な一戦。一塁ベースを越えたところで生まれた渾身のガッツポーズは、たまたま生まれたラッキーな安打を喜んだのではなく、自分の思い描いたイメージを現実のものとしたことに対する達成感の表れだった。

 閉会式で「Most Valuable Player(MVP)」と書かれた記念プレートを受け取ると、ここでも少し誇らしげに胸を張った。MVP獲得まではイメージし切れていなかったかもしれないが、それはうれしいサプライズ。最高の結果をイメージしながら、これからも野球人生を突き進んでいく。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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