岩隈久志、チームのPO進出に希望を持たせる15勝目「全力を出し尽くした」
自身の連敗は「4」でストップ チームはWC争いで2位に3.5ゲーム差
9日(日本時間10日)敵地でのアスレチックス戦に先発したマリナーズ岩隈久志投手。7回途中を7安打2失点の力投で、チームは3-2で勝利した。自身の4連敗を止める自己最多タイ15勝目(11敗)をマーク。チームを3連勝に導く力投に、地元メディアからは「チームをプレーオフ(PO)進出争いに止めた」と称賛の声が上がっている。
球数少なくテンポいい、本来の岩隈のスタイルが戻った。序盤は走者を背負ったが、4回まで二塁を踏ませず。速球とスプリットのコンビネーションでアスレチックス打線を攻めた。5回に1失点、7回にも1点を失ったが、青木宣親の今季2号ソロなどで打線が援護。6回2/3を投げて7安打5奪三振1四球2失点(自責2)で白星を手に入れた。15勝以上を複数年記録したのは、野茂英雄(ドジャース、1996年、2002年、2003年)、松坂大輔(レッドソックス、2007年、2008年)に次ぐ日本人投手3人目の快挙だが、チームがPO進出争いに止まれたことの意味は大きい。
地元紙「シアトル・タイムズ】電子版は「3連勝でワイルドカード争いに残る」と題した記事で、力投を見せた岩隈を称えた。最近は自身4連敗だった岩隈は「全体的に速球に力があったし、指の掛かりがよかった。速球も変化球もよく制球できたと思う」と通訳を介して、この日の登板について振り返ったそうだ。記事では、マウンドで奮闘する右腕をホームランで援護した青木宣親外野手と捕手ズニーノも称賛。サービス監督は「私はこのチームの可能性を強く信じている」と話し、投打のかみ合った勝利を喜んだという。
残すところ31試合。チームはワイルドカード(WC)争いで、2位に3.5ゲーム差の6位につける。ここから総力戦でプレーオフに進出できる2位以内に入りたいマリナーズ。投打がかみ合ったこの日の試合展開は、まさに理想の勝利だったと言えるだろう。地元紙「タコマ・ニューストリビューン」電子版によれば、岩隈は通訳を介しながら「みんなでプレーオフで戦えることを目指している」とチームの気持ちを代弁。「先発投手は5日に1度しか投げられないけど、自分が先発する日は、持てるものすべてを出し切りたい。今日は全力を出し尽くしたと思う」と気合十分な様子だったという。
次回登板は、先発ローテ通りなら14日(同15日)敵地でのエンゼルス戦となる。自己最多の16勝目を目指して、そしてチームのプレーオフ進出を目指して、岩隈が全力投球をする。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count