前田健太、6回3失点で9敗目も「先発ローテの生命線」と米メディア評価

怪我人続出のドジャース先発陣で開幕から唯一の生き残り

 11日(日本時間12日)敵地でのマーリンズ戦に先発し、今季9敗目(14勝)を喫したドジャース前田健太投手。3回まで無失点の投球を披露したが、4回にイチローの中前打をきっかけに2失点を喫し、結局6回を投げて8安打3奪三振1四球で3失点(自責2)で敗れた。記録として黒星が付いた形だが、6回以上を投げて自責点3以下は立派なクオリティスタート。球団公式サイトでは「黒星喫するも、マエダは先発ローテの生命線」と題した記事で、右腕の存在感を称えている。

 この日の前田は、初回先頭ゴードンに中前打を許した後、打者9人を連続凡退とする好スタート。だが、4回1死から今季2度目の対戦となったイチローに打球をセンターに運ばれ、流れを変えられた。それでも何とか6回を3失点にまとめて降板。マーリンズ先発ウレーニャの前に打線が沈黙し、援護を得られなかった前田は9敗目を記録したが、試合後にロバーツ監督は「勝利に値するピッチングだった」と振り返ったそうだ。

 9日(同10日)には腰を痛めていたエース左腕カーショーが復活。翌10日(同11日)にはヒルが指にマメを作りながらも7回を完全投球するなど、ドジャース先発陣はようやく体勢を持ち直したが、開幕から先発ローテを守り抜いているのは新人の前田だけ。記事では、昨オフの契約前に行われたフィジカル検査に問題があった事実に触れながら、「4月や5月よりも今の方が断然いい感じがする」と話す前田の力強い言葉を紹介している。

 通常の中4日のスケジュールではなく、できるだけ中5日で先発ローテを回せるようにロバーツ監督が腐心したこともあるが、前田はこれまでチームトップの28試合に先発、同じくチーム最多の159イニングを投げている。現在、ナ・リーグ西地区首位に立つドジャースだが、もし前田を怪我で欠いていたら、かなり厳しいシーズンを送っていただろう。開幕前は健康を不安視された前田が、図らずもドジャース先発ローテを支える生命線のような重要な役割を担うことになった。

 残すところ20試合。プレーオフ進出に向けて、ますます前田の存在が重要な意味を持つことになりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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