野村祐輔、広島で紀藤以来の16勝&単独最多勝“確定”「初めてフルにやれた」

5年目右腕が6回無失点で16勝目、「いい形で最終登板ができた」

 24日のヤクルト戦に先発した広島の野村祐輔が6回無失点で16勝目を挙げた。試合後に緒方監督が、15勝を挙げているジョンソンの今季残り試合での起用を否定したため、単独での最多勝が確定的となった。

 上位陣に主軸選手が戻ったヤクルト打線を相手に、6回まで被安打3の無失点に抑えた。緒方監督が「両コーナーを使って、チェンジアップも効果的だった。エラーが出ても投げ切って抑えてくれた」という投球に、野村は「いい形で最終登板ができた」と満足そうだった。

 チームでシーズン16勝目を挙げたのは、1994年の紀藤真琴以来となる。黒田博樹、前田健太も届かなかった勝ち数となるが、野村は「野手が点を取って、石原さんもいいリードをしてくれて、勝たせてもらっている」とバックに感謝する。「1試合1試合、課題が出てくるので、その課題を克服しようとやってきた。本当に積み重ねてきたものだと思う」と今季の躍進を振り返った。

 ルーキーイヤーに防御率1点台で新人王を獲得し、2年目も12勝を挙げたが、3年目には投球イニングを大きく減らして7勝8敗。昨季は5勝と自己ワーストの成績だった。「2年間、いろいろな勉強をさせてもらって、野球に対する考え方が変わった」という野村は、「そこそこの成績だったら、考えが変わることはなかった。今年は、去年があってよかったと思えるシーズンにしたかった。そうなってよかった」と喜んだ。

「5年目で初めてフルにやれた。今までで一番いいシーズン」という野村には、次はポストシーズンが待っている。「まだ時間があるので、本当にベストな状態に持っていきたい」と、大舞台が待ち遠しい様子だった。

【了】

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo

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