広島廣瀬、引退会見で明かしたプロ生活一番の思い出 「やっぱり記録のこと」
広島は「選手間のチームワークが素晴らしいチーム」
2年間、1軍に上がれなかった時期には、心が折れそうな時もあったという。だが、「それまで自分がやってきた野球に対して、失礼がないようにしたかった。ここでだらけたり、ふてくされたりした態度は取りたくなかった。野球に対して、変な態度をとらないように、常に思っていた」と心境を明かした。
プロ生活での一番の思い出は、「たくさん思い浮かぶけど、野球は失敗のスポーツ。守備要員で入った試合でトンネルをしたり、バントを失敗したり、ミスばかり」と言ったが、「ただ、やっぱり記録のことはありますね」と、13年に記録した連続打席出塁の日本記録を挙げた。
自身のブログで、トレードマークとなっていた敬礼ポーズは丸に、「広島伝説」のフレーズがある応援歌は、菊池に継承することを記した。
「敬礼ポーズは、広島の土砂災害の時に現地で働いていた消防士の人に、何かできないかと思い、僕らもグラウンドで頑張るのでという気持ちでやった。丸もその考えに同意してくれていたので、これからも続けてほしい。菊池は、もみあげつながりということもある。僕がもっと伸ばせよ、といったことで今の長さになった。あとは菊池のお兄さんが僕を応援してくれていたので、それもあります。菊池には『広島伝説』という言葉が似合うし、これから先、曲が流れた時に、あの曲は元は廣瀬の応援歌だった、と思い出してもらえれば嬉しいので」
チームに残したいもの、という質問に「難しいですね」と少し考えた廣瀬だが、「選手間のチームワークが素晴らしいチーム。これからもお互いに切磋琢磨して、お互いに高め合うチームになってほしい」と願いを込めた。「16年間、こんな僕を応援してくれて、本当にありがとうございました」という廣瀬は、最後もおきまりの敬礼ポーズで、会見場を後にした。
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大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo