急逝のマ軍エース右腕に捧げる涙の先頭打者弾 「誰かが力を貸してくれた」
事故後初の試合で4安打でゴードン「彼のためにホームランを打った」
マーリンズは26日(日本時間27日)、本拠地でのメッツ戦に7-3で勝利した。25日未明にエース右腕、ホセ・フェルナンデス投手(享年24)がボート事故で急逝後、初の試合で快勝。今季1号の先頭打者弾を含む5打数4安打2打点と大活躍したリードオフマンのディー・ゴードン内野手は、試合後に地元テレビ局「FOXスポーツ・フロリダ」のインタビューで「神は信じないけど、誰かが力を貸してくれた」と沈痛の面持ちで話した。
ゴードンは初回、先頭で打席に立つと、右打席に立った。「彼の背番号を付けたヘルメットを持って行ったよ。彼のバッティングに似せようとしたんだ。彼が喜んでいると願っているよ」。初球はフェルナンデスに捧げるため、見送り。ヘルメットを自分のものに取り替えて、本来の左打席に立つと、メッツ先発コロンの3球目を振り抜いた。
打球はグングンと伸び、左翼席の2階部分へと飛び込んだ。ゴードンはうつむき、肩を震わせながらダイヤモンドを一周。ホームベースを踏んでから左胸を2度叩いて天を見上げると、目には涙が光っていた。ダグアウトに戻り、同じように涙を浮かべる同僚たちと号泣して抱き合った。
「神は信じないんだけど、あんなに遠くにボールを飛ばしたことはない。誰かが力を貸してくれたんだ。(ダグアウトでは)人生最高の瞬間だった。僕には子供がいない。だから、彼のためにホームランを打った時は人生最高の瞬間だった」