今季引退オルティスが宿敵ニューヨークに手紙「忘れられない日にしよう」

メジャーを代表するライバル関係、敵視とともにリスペクト

 今季限りで現役引退を表明しているレッドソックスのデービッド・オルティス選手が、宿敵“ニューヨーク”に粋なオープンレターを送った。

 メジャーには数々のライバル関係が存在するが、ア・リーグ東地区のニューヨーク・ヤンキースとボストン・レッドソックスの関係は特別だ。強豪&古豪として地区優勝、そして世界一を争う2チームは、本拠地でもあるニューヨークとボストンの街を巻き込んで、大きな対抗意識を燃やしている。ヤンキースがボストンに行けば、大ブーイングの嵐になるし、レッドソックスがニューヨークに行っても同様だ。先日引退した元ヤンキースのアレックス・ロドリゲス氏が最後にボストンを訪れた時は、フェンウェイパークに集まったレッドソックス・ファンは、ロドリゲス氏が先発出場しないと知ると「We want A-Rod(A-ロッドが見たい)」とチャント。ロドリゲス氏が登場した途端に大ブーイングを浴びせるという、ライバルならではの送別をした。

 レッドソックスを代表するスラッガー、オルティスといえば、ヤンキース・ファンにとって一番の宿敵だ。メジャー公式サイト「Cut4」によれば、オルティスはヤンキースを相手に通算OPS(出塁率と長打率の合計).970、53本塁打という記録を残している。レッドソックス・ファンが、かつて元ヤンキースのデレク・ジーター氏やロドリゲス氏にしたように、ニューヨークのファンはオルティスの存在を疎ましく思いながらも、最大級のリスペクトを込めて、毎回大きなブーイングを送っている。

 もちろん、オルティス自身もこのライバル関係を楽しんでいる一人だ。これまで数々の手に汗握る真剣勝負が繰り広げられたニューヨークでプレーするのも、27日(日本時間28日)から始まる3連戦で終了。そこでオルティスは、テレビゲームのポスターを通じて、ニューヨークにこんな粋なオープンレターを送っている。

「親愛なるニューヨークへ

君たちが決してやってこないと思っていた日が、すぐそこまで迫っている。さあ、忘れられない日にしようぜ。今まで通りにいこう。世界に俺たちがどれだけ自分の街とチームを愛しているか見せつけてやるんだ。そして、俺たちがこのスポーツをどれほど愛しているかを見せてやろう。9月29日(ニューヨークでの最終戦)を意味のあるものにしよう。俺たちは敵として球場に収まりきらないほど多くの歴史を分かち合ってきた。だけど、ライバルとして君たちをいつまでもリスペクトし続けるよ

デービッド・オルティス」

 29日(日本時間30日)、ニューヨークでの最終戦で、ヤンキース・ファンはどんな形でオルティスを送り出すのか。ファンならずとも楽しみだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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