最大ゲーム差11.5 歴史的大逆転で栄冠に輝いた日本ハムの軌跡を辿る

7月に投手・大谷が離脱、8月に現れた救世主は…

【7月】
17勝4敗0分 月間勝率.810 順位2位

 7月3日の福岡ソフトバンク戦、大谷が1番・投手として出場。さらに大谷選手は第1打席で初球先頭打者本塁打。球場内のファンも何が起こったのか分からないほどざわつくなど、衝撃的な一発であった。結局その一発が決勝点となり、投げても8回無失点で自身7連勝。福岡ソフトバンク相手に同一カード3連勝を飾った。

 その後もチームの勢いは止まらず、7月11日の試合まで怒とうの15連勝。球団新記録となる快進撃で首位・福岡ソフトバンクとのゲーム差を「5」に縮めた。

 7月10日の試合でも大谷は勝ち投手に。しかし、右手中指のマメをつぶすアクシデントにより、「投手・大谷」は離脱。以降は野手として覚醒し、チームに貢献していくことになる。その他にも宮西がフル回転で29試合連続無失点。有原が7月22日の試合で勝利し、2年目にして自身初の2桁勝利を記録。岡が打率4割をキープする大活躍を見せるなど、チーム一丸となって戦い、「負けない野球」で白星を積み重ねた。

【8月】
14勝12敗0分 月間勝率.538 順位2位

 7月終了時までで10勝4敗、防御率1.90とエース級の働きを見せていた有原が8月は大ブレーキ。夏場の暑さによる疲労が影響したか、4度の登板で0勝3敗。25イニングで15失点と苦しみ、白星から遠ざかる。

 投手・大谷が怪我による離脱。勝ち頭・有原が未勝利。そして8月2日の試合中に田中賢との交錯で岡が負傷交代。7月の快進撃を支えた選手たちがこぞって離脱もしくは不振という事態に陥ってしまう。しかし、このピンチの場面でもチームの救世主が現れる。8月4日に先発に配置転換となった増井である。

 ルーキー時代は全試合で先発登板も、2年目以降はリリーフとして活躍。昨年も守護神として39セーブ、防御率1.50という素晴らしい働きを見せたものの、今季は打ち込まれる場面が目立ち、防御率は6.30と悪化。そこで栗山監督が思い切った配置転換を決断し、これが見事にハマる形となった。

 配置転換後初登板の8月4日は5回無失点と試合を作るも勝ち負けつかず。翌週の登板では7回2失点と力投を見せるが、惜しくも黒星。8月18日の登板で8回途中1失点の投球を見せ、これが2010年5月27日以来の先発勝利。3度目の正直で自身6年ぶりの先発勝利を挙げると、そこからは勢いに乗って8月25日の登板でも白星を挙げ、チームを今季初の首位浮上へと導いた。

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