高橋尚成氏が見るセCS有利な球団は? 巨人にあって広島&DeNAにないモノ
DeNAを勢いづかせる三浦大輔の存在、「原動力になる可能性は十分にある」
――短期決戦の難しさもあるし、広島の場合、ファイナルステージまで約2週間ほど空いてしまいます。
「2007年に初めてCSが始まった時、ジャイアンツはリーグ優勝したんだけど、ファイナルステージで中日に3連敗して終わってしまった。対戦相手を待つ状況で、自分たちが何をやったらいいか分からずに、ファーストステージを勝ち上がって勢いに乗っていた中日にやられちゃったんだよね。短期決戦は、勢いに乗ったチームが強い。だから、どんな形であれ、勢いに乗る方法を見つけることが大事でしょう」
――そうなると、ファーストステージを勝ち上がるチームの方が、自然と勢いはついていますね。
「その勢いを、黒田(博樹)さんを中心とした広島の投手陣がどう抑え込むかでしょう」
――ファーストステージの「巨人-DeNA」は、レギュラーシーズンは14勝10敗1分けでDeNAが勝ち越しています。
「投手力で見たら、先発3本(菅野・マイコラス・田口)がしっかりしているジャイアンツ。高橋(由伸)監督やコーチ陣はほぼ全員、選手も大半が優勝を経験しているのも大きい。優勝を知らない選手でも、CSに10年連続で出場しているから、短期決戦の戦い方を知っている。勝つことが当たり前のように求められるチームだけに、その強さがこういう場面で発揮されるんじゃないかと思いますね」
――そうなると、CS初出場のDeNAは厳しい戦いを強いられるかもしれません。
「DeNAが怖いのは、勢いづくと止まらないこと。勢いづくと怒濤のような勝利ができる一方で、負け始めたら連敗する脆さもある。CSでどちらのベイスターズが出てくるかだけど、怖いのは三浦(大輔)さんの存在。あのチームにとって三浦さんの存在ってすごく大きいから、それが勢いにつながると怖い。最後に日本シリーズに連れていきたいっていう思いが、チームの和となり、原動力になる可能性は十分にあるでしょう。ただし、勝ち上がっても、絶対的な先発投手がいないのが厳しいかなぁ」