高橋尚成氏が見るセCS有利な球団は? 巨人にあって広島&DeNAにないモノ
広島にかかるプレッシャー、「優勝経験のないメンバーがどう戦っていくか」
――そこで最初の話につながりますね。待つ広島としては、DeNAの方がやりやすい、と。
「ですね。広島としてはDeNAが相手の方が、自分たちの野球がしやすいんじゃないかな。短期決戦は総力戦になると分かっているジャイアンツは、必要とあらば中4日で菅野を投入してくることも十分にある。先発を中継ぎ待機させたり、全員で野球をするために、いろいろ配置転換をしてくるんじゃないかと。言ってしまえば、短期決戦は気持ちの勝負でもある。負けたら終わりなんだから、やるしかない。2位、3位のチームは、日本シリーズに行けなくても仕方ない、ここで出し尽くして終わってもいいって、全力でぶつかってくるでしょう」
――リーグ優勝して、日本シリーズへ行くことを期待されている広島は、また違ったプレッシャーもありそうです。
「あれだけぶっちぎりで勝って、日本シリーズに行けなかったら、ファンは『なんだよ』ってことにもなってくるでしょう。広島の街自体があんなに盛り上がっていて、これでもし負けた時にはシラけちゃう。そういうプレッシャーもあるだろうし」
――そこで精神的支柱になるのが、ベテランの黒田投手や新井貴浩選手になるんでしょうね。
「新井も黒田さんも、実績は素晴らしい選手。2人に唯一欠けているのが、日本一の経験がないことだけど、そこはDeNAと一緒。2人を優勝させたいっていう思いが、どうチームを動かすか。もちろん、2人が優勝にかける思いは大きいでしょう。日本シリーズに進んで当然、というプレッシャーの中で、2人を含めた優勝経験のないメンバーがどう戦っていくか。いずれにせよ、面白いCSになるでしょう」
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count