メジャーの「本当の戦い」は10月から? 日米におけるプレーオフの違い
「オクトーバー・ベースボール(10月の野球)」に含まれる特別な意味
米国ではスポーツがシーズン制で行われるため、野球は春先から夏にかけて行われるスポーツという認識が強い。そのため、CMなどでも使用される決まり文句の「オクトーバー・ベースボール(10月の野球)」にはとても特別な意味合いが含まれる。10月に野球をしていることはチームが勝ち進んでいる証であり、その意味を誰もが理解しているからだ。
今年も日米でレギュラーシーズンの戦いが終わりに近付いており、勝ち残ったものだけが戦うことの許されるプレーオフの熾烈な戦いが始まる。パ・リーグのクライマックスシリーズはソフトバンク-ロッテで10月8日から実施。先に2勝したチームがファイナルステージへ進むことになる。そこにはレギュラーシーズンを優勝した日本ハムが待ち構え、10月12日から日本シリーズ進出をかけた争いが開始される。
どちらのステージでも、順位の高いチームの本拠地で開催され、さらにはファイナルステージではリーグ優勝球団にアドバンテージとして1勝が与えられる。日本ではそれだけレギュラーシーズンの戦いに重きを置いていることがうかがえる方式となっている。
メジャーリーグでも何度かプレーオフシステムの再編成を繰り返し、今の形に辿り着いている。日本においても、これから10年、20年とクライマックスシリーズでさらに多くのドラマを生み出し、ファンを熱狂させる戦いを積み重ねることで最善の形が出来上がり、その価値は高まっていくことになるだろう。そうすることでまた新たな野球文化が構築されていくのではないだろうか。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
【了】
新川諒●文