驚異の打率.889! 凡打はたった1度だけ 広島1番打者・田中が大暴れ
これまで3試合全てで第1打席に安打、攻撃の起点となる十分過ぎる働き
広島の田中広輔が、セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで、驚異的な活躍を見せている。
今季はチームで唯一、全試合フルイニング出場を果たした田中だが、シーズン終盤は打撃不振に陥り、9月の月間打率は.205と低迷していた。ポストシーズンでは、1番から降格の声もあったが、CSファイナルステージの初戦でダメ押しの本塁打を含む3打数2安打1四球と活躍すると、2、3戦も勢いは止まらず。3試合の12打席で9打数8安打3四球と、リードオフマンとして申し分ない働きをしている。
「1打席目を特に大事にしていこうと思っている」という田中は、3試合全てで初回の第1打席で安打を放ち、勝利した1、2戦では先制のホームを踏んでいる。「ヒットを打つというよりは、何でもいいので塁に出ようと思っている」という言葉通り、3試合で凡退したのは一度だけと絶好調だ。
完封負けした第3戦も3安打したが、「勝たないと打っても仕方ない」と笑顔はなかったが、「今はいい感じで打席に立てている」と、好調の手応えはあるようだ。
第4戦の相手先発である今永に対しては、今季の対戦成績が14打数2安打と抑えられているが、3戦とも先制したチームが勝利しているだけに、チャンスメーカーの田中の働きが勝敗を左右しそうだ。
【了】
大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo