「DH」から「投」、そして165キロ 二刀流・大谷翔平の凄さが凝縮された1日
中田も脱帽の活躍、「本当にすごく、かっこよかったですね」
先発投手として数日前から調整、といった万全の準備ではないはずだ。それでもケロッとした顔で登場し、記録と結果を出して試合を決める。相手が福岡ソフトバンクの強力打線であっても、だ。トランプのジョーカーのような無敵の存在と言ったところか。CSのMVPに輝いた中田のコメントが全てを物語っていた。
「すごいね。165キロ。あそこまで打って投げて、とされたらこっちが練習しているのがばかばかしくなってくるというか」。球場はたちまち大爆笑の渦だ。そして、しみじみと言った。「本当にすごく、かっこよかったですね」。
初回に4点を先制されたが、主砲・中田の一発などで2回以降、小刻みに加点。バースが2番手として登板し、4回無失点に抑えたのも大きかった。だが、マーティンが不在で抑えは誰がやるのか、そんなファンの悩みは、衝撃へと変わった。
5日間の調整期間を挟み、22日からマツダスタジアムでセ・リーグ王者の広島と激突。ファイナルステージ初戦の先発だったことを考えれば、当然、エースとして大谷の先発の可能性はある。だが、前回登板から休養もなくフル回転で試合に出場し、この日も二刀流出場。そこから中5日という疲労度は計り知れないだろう。いや、もはや先発の日程ばかりを気にする必要はないのかもしれない。大谷がいつ、どこで出てきて、何をするのか。全試合、大谷翔平から目が離せない2016年の日本シリーズとなりそうだ。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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「パ・リーグ インサイト」編集部●文