上原浩治の来季去就は? 米地元紙が見る41歳右腕の価値と今後の行方
後半戦で安定感増した上原、気になる来季の去就
レッドソックスの上原浩治投手がメジャー8年目のシーズンを終えた。50試合に登板し、2勝3敗、18ホールド、7セーブ、防御率3.45。6月の月間防御率は7.56(9試合8回1/3で7失点)と失点がかさんだが、右胸筋の負傷から復帰した9月は11試合無失点と安定した投球を披露。プレーオフでも2試合に登板してともに1回無失点に抑えた。オールスター前は36試合18失点、防御率4.81、一方、オールスター後は14試合無失点、防御率0.00としり上がりに安定感が増していった。
そんな41歳右腕は今季でレッドソックスとの契約が満了となる。本人は42歳となる来季もメジャーでの現役続行に意欲を燃やしているが、果たしてその去就はどうなるのか。米国内ではレッドソックスのシーズン終了とともに右腕の動向に関する情報が飛び交い始めている。
このほど「今冬、レッドソックスはコウジ・ウエハラ以上の投手を獲得するだろうか」とのタイトルで特集を組んだのはレッドソックス本拠地ボストンの地元紙「ボストン・グローブ」だ。
同紙は2013年に守護神としてワールドシリーズ制覇に貢献した右腕について、レッドソックス救援陣を支えてきた存在と評価。また今季50試合に登板し、奪三振率(9イニング当たりの奪三振数)12.06を記録したことは「投手として価値があることを証明した」とレポートしつつ、1試合で複数イニングを投げていない点や好調を維持した9月に連投をしていないことを理由に「価値が減少している」との見方も示した。特にポストシーズンの他球団の救援陣(2日続けての連投で計3回2/3を投げ無失点のインディアンス左腕ミラーや1試合で2回1/3を投げたドジャース守護神ジャンセン)を例に挙げて「特定の役割しかこなせない投手の価値は下がってしまった」と分析している。
同紙は上原の来季契約について「レッドソックスの目指す方向性次第」と明言を避けている。「価値の低下」を指摘しつつも、まだ右腕が戦力となることを認めており、今季のような起用法では力を発揮できると見ているからだ。今後、レッドソックスが新たな救援投手を獲得し、かつ上原と再契約を結ぶ可能性にも触れている。一方で、「おそらく、ウエハラの年齢と限られた出場機会を考えると1年900万ドル以下の契約になりそうだ」とレポート。再契約の場合でも今季年俸の900万ドル(約9億4000万円)を下回ると予想している。
防御率は2010年以降自己ワーストだったが、シーズン途中で右手首の骨折を負った昨季よりも登板数は増え、奪三振率もここ3年で最高だった上原。40歳を超えてもなおタフな舞台で戦い抜く姿には多くのファンが魅了され、ボストンでも絶大な人気を誇る。そんな右腕は来季どのような道に進むのか。その動向が注目される。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count