救援転向当時のキーマンが語るG守護神復活の鍵「1年目の澤村に戻ってほしい」
澤村の救援転向を考えた理由は…
今シーズン後半に見せた不安定な投球内容の原因の一つは、「ピッチングフォームが不安定だったから」だという。肩の可動域が狭くなっているためフォームが定まらず、小手先のピッチングになりがちになってしまう。
「今季は今までで一番不安定だったと思いますね。見ていて、悪い澤村がいつも顔を覗かせていたんで、ハラハラドキドキしていた。澤村という投手は、いいものと悪いものがイニングごとに顔を出すので、なかなか先発は難しい。そこで僕が投手コーチだった頃、原監督(当時)と話して、やっぱり抑えにしようという話になった。その当時は西村健太朗がいてセーブ王も取りましたけど、彼も使いどころが難しいピッチャーだったんで9回を任せた経緯があるんです」
使いどころの難しい投手に9回を任せて大丈夫なのか――。ここで登場するのが、川口氏の説く「8回最強論」だ。
「8回に最強のピッチャーを持ってきてピシッと抑えると、相手打線は戦意を喪失する。そこで多少不安定なピッチャーを9回に持ってきても、フラフラしながらもアウトを1つずつ重ねて終わる、と。当時は、マシソンと山口が絶対的なリリーバーだった。先発が6回まで投げれば、7回に山口、8回にマシソンがしっかり抑えてくれる。そこで9回に西村を投入。そういう流れを作って3連覇したんですよ。澤村も西村と同じように使えれば、と思ってリリーフに転向させたんです」