【高校秋季東北大会】仙台育英、聖光学院に逆転勝ちで春の甲子園当確 「あくまで通過点です」

西巻主将が投打で活躍、2年ぶりの東北大会優勝目指し決勝へ

 このビッグプレーの直後の攻撃で仙台育英は逆転した。1死一、二塁から1番・西巻がレフトの頭上を越す二塁打を放って同点。2番・斎藤育輝が打ち上げたセンターフライは浅かったが、三走・長谷川がホームへ激走し、試合をひっくり返した。6、7回と三者凡退に終わったが、8回には2死三塁で4番・尾崎拓海が適時打を放ち、1点を追加した。

 一瞬たりとも気を緩めなかった。佐々木監督は「ずっと、怖かったですね」と言った。相手の聖光学院は初戦で延長戦を突破。準々決勝も一時逆転を許したが、徐々に追い上げて勝利と聖光学院らしいしぶとさを発揮していた。西巻主将は「聖光学院は後半に強い。落ち着いてやろうと思っていました」と振り返る。

 ベンチでは、「引き締めろ」「緩むな」といった言葉がけをし、27個目のアウトを奪うまで緊張の糸を切らさなかった。守備でも、走者がたまると二塁手の斎藤はエース・長谷川の元によく駆け寄った。「聖光学院は勢いがあるので、冷静にいこうと言っていました。あとは気持ちだ、と」。聖光学院に流れが行きそうな時に間をうまくとり、1時間57分の集中を保った。

 2年ぶりに決勝進出を果たし、来春の選抜大会出場が確実になった。「あくまで通過点です」と西巻主将。佐々木監督も「(今日の結果は)素直に嬉しいが、明治神宮大会もあるので、神宮に行きたいと思って過ごしたい」と話した。2012年、14年と東北大会を制し、明治神宮大会でも優勝した仙台育英。今年もまずは秋の大舞台に立つため、決勝戦に全力を注ぐ。

【了】

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

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