香川を率いて10年、約20人をNPBへ輩出 元広島4番が魅せられた独立Lの意義

「人生の財は友なり」PL学園時代の恩師・中村順司氏の言葉を胸に…

 西田が大切にしている言葉があるという。「人生の財は友なり」。高校時代、甲子園優勝を果たしたPL学園の恩師、中村順司氏の言葉だ。独立リーグに関わる時間が長くなればなるほど、この言葉が沁みる。

「毎年毎年、野球で上を目指す選手が集まってくる。ここは修業の場なんですよ。選手生活を含め、いろいろな人との出会いがある。契約していないシーズンオフには、球団がキャリアサポートでアルバイトを紹介したり、野球教室を開いたり。それも社会勉強。いろんな人と知り合って、親しくなって、そこで自活する力っていうのかな。

 給料が安くても、それを若い時期に養える、ハングリー精神を学べるのが独立リーグ。選手のやる気があるかないかがすべて。そういうのが今後の人生に生きていく。みんなで牛丼食べに行ったとか、アルバイトして賄いの料理を食べさせてもらったとか、人間臭さがあるでしょ。自分でつながりを持てるという意味では、素晴らしいと思いますね」

 西田の下で野球を学び、人間力をつけ、NPBに旅立った選手は20人に達する。「それはもう過去の話」と決して他人に吹聴することはないが、自分の中で「小さな達成感」を楽しんでいるという。

「又吉が頑張っているじゃないですか。だから、彼がテレビ中継される時間になると見たくなる。角中(勝也)は高知(ファイティングドッグス)ですけど、角中もそうですよ。彼らは数少ないチャンスを物にして、NPBに行った。ここで10万そこそこの給料でやっていた選手が、何千万円、1億円ともらえる可能性がある。アイランドリーグの選手たちにもいい刺激になりますよ」

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