田中に5球団、特A評価が外れ1位…各球団の思惑交錯、ドラフトを振り返る

「高校BIG4」は全員2位以内、豊作ドラフトを象徴する結果に

 田中を外し、再抽選も外した4球団では、巨人が投手から一転、中京学院大の吉川尚輝内野手を指名。遊撃には坂本勇人がいるが、二塁は補強ポイントとなっている。また、7位で台湾出身のリャオ・レンレイ投手を指名。201センチ、125キロの巨漢で話題となっている。名前は知られていないが、巨人の国際担当が目を広い視野で調査し、獲得した“隠し玉”だ。

 佐々木の再抽選も外した広島は、やはり投手で153キロ右腕の慶大・加藤拓也投手を指名。育てるチーム方針通り、2位から6位までは、3位の床田寛樹投手(中部学院大)を除いて高校生となった。先発投手の駒がそろってきたDeNAだが、今年も地元・神奈川大の濱口遥大投手を外れ外れ1位で指名。中日はDeNAとの競合で、大学BIG3の明大・柳裕也投手を森新監督が引き当てた。阪神は大学日本代表で、思い切りのいい打撃も魅力の白?大・大山悠輔内野手を単独1位指名。BIGネームは指名せず、やや地味なドラフトになった。

「その年一番の選手を獲る」の方針通りの日本ハムは田中、佐々木を外し、U-18アジア選手権(台湾)でも活躍した堀瑞輝(広島新庄高)を1位指名。台湾までスカウトチームが来て、高校日本代表の試合を全てチェック。先発でも中継ぎでも使え、高校生離れしたスライダーが魅力と判断した。2度くじを外したが、「高校BIG4」にひけをとらない左腕を指名し、育成していくことになる。

 今井達也投手(作新学院高)は西武単独1位、寺島成輝投手(履正社高)はヤクルト単独1位、藤平尚真(横浜高)は楽天単独1位、高橋昂也投手(花咲徳栄高)は広島2位と、今年の夏の大会を沸かせた「高校BIG4」は全員2位以内で消え、豊作ドラフトを象徴する結果となった。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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