阪神ドラ2右腕が自己最速タイ152キロマーク スカウトも称賛「状態いい感じ」

阪神2位指名受けた富士大・小野泰己、「自分のピッチングができた」

 明治神宮野球大会の出場をかけた、第8回東北地区大学野球代表決定戦の準決勝が22日、宮城・仙台市民球場で行われた。富士大は福島大に4-2で勝利。決勝に駒を進めた。

 富士大の先発マウンドに立ったのは、20日のドラフト会議で阪神から2位指名を受けた小野泰己投手(4年)だった。先頭打者にいきなり四球を与えたものの、7回を投げ、4安打8奪三振1失点と試合を作った小野は「リーグ戦と変わらない感じで要所を抑えることができた。ランナーを出しても焦ることなく、自分のピッチングができた」と、安堵の表情を見せた。

 2勝すれば明治神宮野球大会への出場が決まる短期決戦。リーグ戦とは異なる戦い方が要求される。1か月以上前に秋季リーグ戦の優勝が決まり、「緊張感あるゲームから離れていたことや簡単に点は取れないだろうということで小野を先発にした」と豊田圭史監督はエースを初戦のマウンドに送った。

 序盤は自慢の直球で押した。4回には自己最速タイの152キロをマーク。福島大の打者たちが振り遅れてファウルになるなど、力のあるストレートが威力を発揮した。中盤からは「まっすぐに慣れて打たれた」と変化球の割合を増やした。5回に1点を失って以降はフォークやカーブを多投。6、7回の2イニングを三者凡退に抑え、4つの三振を奪った。この日、球場を訪れていた担当の葛西稔スカウトは「状態はいい感じ。投球のリズムも良くなっている。要所でフォークも低めに投げられていた」と目を細めた。

 今季、ルーキーながら7勝を挙げた西武・多和田真三郎投手のボールも受けてきた小林遼捕手(3年)は「カーブが良かったのでカーブでカウントを整えてコーナーをまっすぐで突くことができた。小野さんは投げれば投げるほど良くなるので、明日も先発することになれば、もっといいピッチングをすると思う」と話した。小野も「今日より厳しい試合になると思う。粘り強く投げ、失点しないピッチングをしたい」と誓った。最速152キロ右腕が学生野球最後の全国舞台を目指し、仙台大との決戦に挑む。

【了】

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

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