日ハム勝因は中島卓「あの四球がすべて」 劇的勝利も「まだ状態は広島が上」
光った黒田の「両サイドから両サイド」への変化
「日本ハムのバッテリーに比べると、黒田、広島のバッテリーの方が1枚も2枚も上手でした。黒田は両サイドから両サイドに投げ分けられる。内外角から、両サイドに変化させるボールを持っている。それを早い段階に一通り見せて、打者に意識させた。日本ハム打線はどちらに来るか分からなくなってしまった。
逆に、日本ハムバッテリーはカットボールを軸に攻めていこうということだったと思いますけど、『そんなにいくか』というくらいカットボールばかりになってしまった。カットボールで抑えられるから、他のボールを投げるのが怖くなってしまったのかもしれない。そうなっていなければ、エルドレッドのホームランはなかったかもしれないですね」
最終的には、日本ハムが終盤に粘りを見せ、広島は救援陣が踏ん張りきれずに勝敗が分かれた。マツダスタジアムでは広島が2連勝と力を見せつけたが、本拠地に戻って日本ハムが劇的勝利を飾ったことで、流れは変わるのか。野口氏は「まだ分からない」と予想する。
「まだ日本ハムのほうが本調子じゃない選手が多い。逆に、広島は鈴木誠也にいいヒットが出て、新井にも最後にヒットが出ました。エルドレッドは3戦連発で、丸も状態がいい。これで田中の調子が上がってくればすごくいい状態です。札幌ドームのファンの力も借りて日本ハムが劇的な勝利を飾りましたけど、まだカープの方がチームの状態は上だと思います」
第4戦は日本ハムが3年目の高梨、広島がルーキー岡田と若手同士の投げ合いになる。大舞台でしっかり力を発揮できるかもポイントになりそうだ。シリーズの行方を左右する対戦が続く。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count