【U-23W杯】育成契約からU-23代表先発捕手に…“仏の笑顔”を持つ柿沼が見せる大躍進
育成契約から、わずか半年でU-23代表入り「まさか、ですよね」
もしかしたら、メキシコでは、普段以上に笑顔が多いかもしれない。なぜなら、侍ジャパンのユニフォームに袖を通す自分の姿は、夢にすら描いたことがなかったから。自然と笑みがこぼれてくる。
昨年10月22日。プロ野球ドラフト会議の会場で、柿沼の名前が呼ばれたのは、育成ドラフトに入った2巡目だった。育成選手として、今季は背番号「122」でシーズンイン。プロの厳しさを肌で感じながらも、支配下選手になることを目標に、ひたすら練習に明け暮れた。
努力は人を裏切らない。2軍戦で存在感を見せてフレッシュオールスターに選出されると、7月29日には念願の支配下選手に。背番号も2桁の「99」に変更された。そして、今度はU-23代表入り。わずか半年で育成から代表選手に大躍進した。
「まさか、ですよね。今年は上手くいきすぎて、自分でも驚いてます。しかも、代表で先発させてもらえるなんて、まさか、です」
捕手を始めたのは小学4年生の頃。他のポジションも試したが、やっぱり捕手に落ち着いた。一番喜びを感じるのは、ピッチャーが快投して勝った時。ピッチャーが目立つことが、我がことのようにうれしい。
「自分は目立たなくていいんです。ピッチャーをいかに盛り立てられるかが自分の仕事。もちろん、打って貢献できればいいけど、そこはあまり…(笑)。ピッチャーが気持ちよく投げて勝てた試合は、本当にうれしいです」
代表戦であれ、ロッテの試合であれ、スポットライトを浴びる投手の笑顔がまた、柿沼の笑顔を生み出している。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count