【U-23W杯】負けず嫌いが呼んだ侍J快勝 笠原&吉持、悔しさバネに生まれたヒーロー

先発2試合は8打数5安打4打点の吉持「毎日試合に出られないことが悔しい」

 打のヒーローは、指揮官が「今日は一番泥臭く粘り強いバッティングをしてくれた」と褒める9番・吉持亮汰(楽天)だろう。先頭打者だった3回に中前打で出塁し、2点目のホームを踏むと、5回には右犠飛で1打点。6回には2死一、三塁からレフト前適時打で1打点を挙げ、続く武田健吾(オリックス)の打球処理に相手野手が手間取る姿を見るや、快足を飛ばして一気に一塁から本塁まで駆け抜けた。7回にも1打点を挙げ、3打数3安打3打点。“恐怖の9番打者”としてオーストラリア投手陣に襲いかかった。

 5戦のうち先発出場はわずか2試合だが、試合に出れば8打数5安打4打点と勝利に大きく貢献。少ない出場機会を無駄にしないコツを聞かれると、「メチャクチャ難しいんですけど…」と考え込んでから、一言「悔しいんです」と、大きな声で言い切った。

「毎日試合に出られないことが悔しいんで、練習は人一倍死ぬ気でやってます。自分が出た時に、どういう仕事をしたらいいのか、ずっと考えながらやっています」

 悔しくて腐るのではなく、悔しさをバネにした。この日は本来の二塁ではなくDHでのスタメンだったが、「出るからには、思い切って打って、思い切って走って、それを心掛けていました」という言葉どおり、全打席で持ち味を存分に発揮。斎藤監督も「今日は本当にヤツが一番泥臭く粘り強いバッティングをしてくれた。思い切りもいいじゃないですか」と目を細めた。

 代表チームに選ばれた。侍ジャパンのユニフォームを着られた。その事実だけに満足する選手は1人もいない。代表の中でも負けたくない。代表の中で一番になりたい。常に上を目指す負けず嫌いの向上心が、日本を勝利へと突き動かしている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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