【高校野球】清宮擁する早実か、桜井擁する日大三か 強豪が激突する決勝戦の見所は?

清宮は「打」だけではない―、和泉監督も「彼には非常に影響力がある」

 明治神宮大会(11月11日開幕)の出場をかけた秋季東京大会の決勝戦が3日に神宮球場で行われる。来年3月のセンバツ高校野球の出場校決定においても参考となる重要な大会であり、優勝すれば、当確。準優勝でも出場できる可能性は残されている。日大三と早稲田実の決勝戦。ともに全国制覇の経験のある名門同士の対決に注目が集まっている。

 早実は高校通算74本塁打と来秋のドラフト1位候補の怪物・清宮幸太郎主将がチームを引っ張ってきた。本塁打数だけが先行して注目されているが、清宮のバットだけで勝ち上がれるほど、野球は甘くない。実際に関東一との準々決勝では無安打。準決勝の国士舘戦では1安打で打点はなし。主砲のバットが火を噴かずして、チームは快勝。そこには献身的な清宮の姿があった。

 関東一戦では四球と死球が1つずつ。「四球も死球も、出塁は出塁なので、ヒットと同じくらいの気持ちです」とともに得点につながった。清宮が警戒されることで相手投手の集中は分散される。そこで4番の1年生・野村や2年生外野手の小西らが甘い球を逃さずに積極的にスイングする。また守備でもフェンスに激突しながら、ファウルボールを捕球。1年生バッテリーの時には守備の際にこまめに声をかけて、後輩の経験不足を自身の経験で補っている。

 和泉実監督も「野球を一人でやっているわけではない。清宮が打てる、打てないでなく、彼には非常に影響力がある。フォア・ザ・チームでバッティングをしているだけでいい影響は出てくる。清宮のチームじゃなくて早稲田実として一つのチームとして戦えていることがチームとして大きい」。

 これまで得てきた数々の経験はチームに好影響を与えていた。力が突出した投手はいないが、1年生右腕の中川がこの大会で台頭。昨夏甲子園のマウンドに立った服部や1年生左腕の赤嶺、石井ら「頭数はいる」と和泉監督が言うように、投手陣は総力戦で日大三へ挑む。清宮のバット頼みではなく、チーム力で勝負していく。

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