日ハムが10年ぶり日本一の栄冠 激闘となった日本シリーズ全6戦を振り返る
本拠地で3連勝と巻き返した日本ハム、西川が球史に残るサヨナラ満塁弾
〇第3戦 日本ハム 4-3 広島(10月25日・札幌ドーム)
日本ハムの本拠地に場所を移して行われた3戦目。日本ハムは初回に今シリーズ初の先制に成功するも、2回に逆転を許す。以降は両先発の有原、黒田ともに立ち直って得点を許さず。日本ハムが1点ビハインドで迎えた8回裏、2死二塁とチャンスの場面で、広島は大谷の敬遠を選択。異様な雰囲気の中、勝負を挑まれた4番・中田は、見事逆転となる2点適時打を放って1点のリードを奪い返す。9回に再び同点とされるが、延長10回裏、2死二塁で打席には大谷。もう一度敬遠か、真っ向勝負か。緊迫した場面で、明らかなボールゾーンに来た4球目に対し、大谷が技ありの一打。2連敗の嫌な流れを断ち切るように、本拠地での初戦を劇的なサヨナラ勝利で飾った。
〇第4戦 日本ハム 3-1 広島(10月26日・札幌ドーム)
日本ハムが連敗を食い止め、1勝2敗で迎えた第4戦。先発の高梨が落ち着いた投球を見せ、3回まで両者無得点。4回表に先制を許してしまうが、6回裏に中田が一発を放ち、同点に追い付く。さらに、高梨の後を受けたバース、谷元が無失点に抑えて流れを呼び込むと、8回裏にレアードに2ランが飛び出して2点の勝ち越し。最終回、2死から四球と連打で満塁、長打が出れば逆転のピンチが訪れるも、鉄腕・宮西がしのいで2勝2敗の五分とした。
〇第5戦 日本ハム 5-1 広島(10月27日・札幌ドーム)
勝敗は2勝2敗。勝った方が日本一へ王手をかけられる第5戦。日本ハムは先発を1年目の加藤が務めたが、大舞台での緊張もあってか初回にいきなり先制点を奪われる。2回途中からはメンドーサがマウンドに上がり、4イニングス連続、3人で攻撃を終わらせる投球を披露。中4日で先発した広島・ジョンソンを初戦と同様に打ち崩せなかったが、7回に岡が2番手の今村から犠飛を放って同点とする。そして9回裏に迎えた2死満塁の絶好機。ここまで打撃不振に陥っていた西川が、打った瞬間にそれと分かる会心の当たりで、日本シリーズ史上2人目のサヨナラ満塁本塁打。2連敗からの3戦連続逆転勝利を劇的な一打で仕上げて、10年ぶりの日本シリーズ制覇に王手をかけた。