岐路に直面する選手たち、それぞれの決断 過去5年のFA宣言に見る明暗
14年度は金子&鳥谷にメジャー移籍浮上も残留
金子千尋投手(オリックス)→残留
大引啓次内野手(日本ハム)→ヤクルト
成瀬善久投手(ロッテ)→ヤクルト
能見篤史投手(阪神)→残留
小谷野栄一内野手(日本ハム)→オリックス
鳥谷敬内野手(阪神)→残留
金城龍彦外野手(DeNA)→巨人
相川亮二捕手(ヤクルト)→巨人
14年度はヤクルトが2人のFA選手を獲得。日本ハムから移籍した大引啓次は序盤は打撃不振で出遅れたが、96試合に出場し日本シリーズでもショートでスタメンの機会を得た。ロッテから加入した成瀬善久は3勝(8敗)と期待通りの成績を残せず、今季も3勝2敗、防御率5.60に終わった。巨人もFAで2選手を獲得。DeNAから加わった金城龍彦は4月15日のDeNA戦で3ランを放つなどしたがシーズンでは43試合の出場にとどまり、この年で引退。ヤクルトから加入した相川亮二も負傷の影響もあり40試合の出場にとどまった。2年目の今季は37試合の出場とさらに出番を減らす結果となった。
小谷野栄一はFA権を行使して日本ハムからオリックスに移籍。しかし負傷にも見舞われ、打率.295ながら56試合の出場にとどまった。今季はさらに50試合と出場を減らし、打率.249に終わっている。
またこの年は金子千尋、能見篤史、鳥谷敬の3選手がFAを宣言した末に残留となっている。メジャー移籍の可能性も取りざたされた金子は右肘の手術を経て残留を選択。その後の2シーズンは防御率3点台と成績を落としている。能見は翌15年に2桁勝利(11勝)を挙げたものの13敗。今季も8勝12敗と黒星が先行する結果となった。鳥谷は海外FA権を行使して一時メジャー移籍を目指したものの残留を決意。15年は4年連続でオールスターゲームに出場したが、今季は打撃不振もあり、7月には連続フルイニング出場が667試合で途切れた。終盤は三塁手として出場する機会も増加。打率.236とキャリアワーストに終わった。
今季は木村がFA移籍1年で戦力外に
【2015年】※国内、海外FAを含む
脇谷亮太内野手(西武)→巨人
高橋聡文投手(中日)→阪神
松田宣浩内野手(ソフトバンク)→残留
今江敏晃内野手(ロッテ)→楽天
田中浩康内野手(ヤクルト)→残留
木村昇吾内野手(広島)→西武
昨年度はFA宣言した6選手のうち、4選手が移籍を決断。2選手が残留となった。
脇谷亮太は西武から古巣・巨人に3年ぶりに復帰となったが前年の118試合から54試合に出場を減らし、打率も.157に終わった。一方、中日から阪神へ移籍した高橋聡文はシーズンを通して救援陣を支え、54登板で3勝1敗20ホールド、防御率3.76の成績を収めた。ロッテから楽天への移籍を決断した今江敏晃は89試合の出場で打率.281、3本塁打、23打点で移籍1年目を終えている。また、広島から西武に移籍した木村昇吾は負傷により38試合の出場にとどまり、オフに戦力外通告を受けた。
海外FA権の行使でメジャー移籍も見据えた松田宣浩はソフトバンク残留を決断。V3を目指したチームで今季143試合に出場したものの、打率.259、27本塁打、85打点といずれも昨季の成績を下回った。田中浩康もFA宣言後に残留を表明。しかし31試合の出場にとどまり、オフに戦力外通告を受けている。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count