敵地で優勝決定の日米最終戦 ビジター盛り上げる演出でアドバンテージ失うことも?

日米のスタジアムで限定グルメも

 米国の場合、ベンチ上のエリアが暗黙の了解でビジター側と思われているものの、チケットが区別化されていることはない。そのため球場の中で見られるビジターファンはそれぞれが一匹狼のような存在で孤立してしまう。ホームのファンに囲まれて応援することを逆にパワーに変えているのかと思うほどその逆境を楽しんでいる強さを持つ。だが、これは日本では少ない光景であり、ビジターであってもファンは一体となり逆境の中でもひとつとなってアウェー感を吹き飛ばすために選手たちを鼓舞している。

 さて、NPB主催の日本シリーズではどのような盛り上げが行われていたのだろうか。まずはお祭りごとに付きものなのが、グルメだろう。この日の広島で見られた日本シリーズにまつわるグルメは北海道メロンサワーと“ハムにカツ”というメッセージ性も加えたハムカツが販売されていた。スタンドで働いていた職員に確認したところ、こちらは日本シリーズ限定で加わったメニューだそうだ。

 一方、ワールドシリーズでも限定的なグルメは存在するのか確認したところ、クリーブランド・インディアンスの本拠地プログレッシブ・フィールドでは「ナップ・アタック」と「When Pigs Fly(豚が羽ばたくとき)」と題した特別メニューが販売されていた。

「ナップ・アタック」とは、今季キャリア最多の34本塁打を放ったマイク・ナポリにちなんだメニューで、七面鳥の足の部分をアップルサイダーとバターに漬けた後に燻製にしたものだ。そして、もう1つのユニークな命名となった「豚が羽ばたくとき」は、その言葉に秘められた意味合いが関係している。豚が羽ばたくときというのは、決して起こりえないことを意味するイディオム(俗にいう慣用句)である。1908年以来優勝から遠ざかっていたシカゴ・カブスと最後に優勝したのが1948年だったクリーブランド・インディアンスの対決にふさわしいメニューである。こちらは豚の脛肉をメープルホットソースに漬けたものであった。共に13ドル(約1380円)で販売されていた。

 そして、試合を盛り上げるグッズに関しては、日本ではビジターにも関わらずスタジアム前にはファイターズグッズ専用のビジターグッズショップが設けられていた。そこにはユニホームやタオルだけではなく、うちわやボールペンなど多岐に渡った商品が並んでいた。一方、米国でよく見られるのは、両チームのロゴが記された記念グッズの数々だ。どちらのホームであっても、この1度しか見られない記念グッズが棚に並ぶ。この日本シリーズでは第6戦に足を運んだだけに過ぎないが、すでにハンドタオルも完売しており、限られた売店での販売しか見られなかった。

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