日米の最終決戦に違い 日本SとWS、それぞれのスポンサーの関わり方とは

スピード感が必要なワールドシリーズの企画

 そして自動車メーカーのシボレーはMVP賞を受賞した選手に車を贈呈するだけでなく、MLB公式サイト上でMVP賞を受賞すべき選手を投票することができるサイトのスポンサーもしている。シボレーはメジャーリーグが課題に置く次世代への取り組みにも一役買っており、全米各地でそれぞれのディーラーが先頭に立ち、無料で野球クリニックを提供している。

 そのプログラムのコンテストに勝ち残った少年をキッズレポーターとしてワールドシリーズに招待し、メディアデーでは選手を実際にインタビューする機会が少年には与えられた。各スポンサーがワールドシリーズという注目が集まる舞台でそれぞれのアクティベーションを行い、野球との関わりをブランドの認知度アップへつなげる活動を行っている。

 対戦カードが直前まで決まらない最後のシリーズの戦いに向けた演出や企画はスピード感が必要となる。だが、それは両チームのファンにとっても同じであり、急な予定調整もしくは旅の計画が必要となる。そこまでして訪れるのは、特別な試合であるからに違いない。

 もちろん両リーグ覇者同士の戦いとなれば、試合だけでも盛り上がるのは確実だ。ファンの多くが日本シリーズというプレミアチケットを手に入れるために犠牲を払い、予定を調整してやってきている。そのファンたちを楽しませる演出をし、そういうプレミアムな空間を作り出すことで熱烈なファンをさらに生むきっかけとなるのではないだろうか。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

新川諒●文

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