活気あふれる西武3捕手の南郷キャンプ 首脳陣交替でアピール合戦
中田、岡田、森の3捕手が笑いも交えながら猛アピール
18日を迎え、5日から続いている西武の南郷キャンプも残り1日となった。ハードメニューの積み重ねで、選手たちの疲労は日に日に増しているが、連日、ひときわ大きな声が飛び交い、活気ある個別練習を続けているのが、捕手陣だ。
13日までは、正捕手・炭谷銀仁朗を中心にピリリとした雰囲気を見せていた。その炭谷がオーバーホールのため帰郷した後は、中田祥多、岡田雅利、森友哉の3捕手がライバル心を見せ合いながら、非常に良い緊張感の漂うトレーニングを続けている。加えて、いずれも関西出身選手。それぞれが自他のファインプレーやミス1つ1つにツッコミを入れたり、賞賛したりすることで笑いを取り、周囲も巻き込んで盛り上げていく。真剣にやっているからこそ起こる笑いに、見学に訪れた多くのファンも一緒に笑い、楽しんでいた。
とはいえ、その中でも、3捕手がそれぞれ必死のアピール合戦を繰り広げていることは言うまでもない。監督、バッテリーコーチが替わったことは、ある意味、選手にとって大チャンス。来季プロ10年目を迎える中田も、当然その思いは強い。
今キャンプ中は、内野手の人数の関係もあり、投内連携などで一塁手を務めることもあったが、秋元宏作バッテリーコーチは「1軍に残るということを考えれば、いざとなれば一塁も守れるとアピールできたことは大きい」と、選手としての幅が広がったと話す。本人も「毎日全力で全部やりきっています」と、充実の表情を浮かべる。
岡田も持ち前の明るさ、声の大きさでキャラクターを猛アピールし、存在感を示し続けた。また、今季22試合で先発マスクを被った森は「今年はたくさん試合で(捕手の)経験をさせてもらったので、その分、1年目の捕手の時よりは成長はできていると思いますが、まだまだ。とにかく、このキャンプでも出し切りました」と、“打てる捕手”になるべく懸命な努力を続けている。この姿に秋元コーチも「必死に上手くなろうとしているのが伝わってきた」と高く評価した。
正捕手・炭谷に続く3捕手にとって、収穫多きキャンプとなったようだ。
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上岡真里江●文 text by Marie Kamioka