5球団競合のSBドラ1田中、即戦力として期待も…開幕ローテ入りへ険しい道
田中の立ち位置は「東浜&中田以下、摂津&大隣以上」?
これに続く5番目、6番目の争いが、とてつもなく激しい。有力候補なのが、東浜巨と中田賢一の2人。東浜はシーズンのほとんどでローテの一角を担って9勝をあげた。チームの中でも成長を感じさせた1人で、来季の更なる飛躍が期待されている。
中田は序盤こそ1軍と2軍を行き来していたが、中盤以降はローテに入って7勝をマーク。工藤公康監督のアドバイスの下、フォームの修正を行ったことで安定感が増し、9月は負けなしの3勝。来季は36歳となるが、馬力と体力はまだまだ健在だ。
ベテラン勢だって黙っていない。5年連続開幕投手を務めながら、わずか2勝に終わった摂津正、肋間神経痛など故障に泣かされて1勝に終わった大隣憲司、そして、右肩手術からの復活を目指し、今冬にプエルトリコのウィンターリーグへの参戦を目指している松坂大輔。復権を狙う面々も、その座を狙っている。
ファームからの突き上げもある。山田大樹、笠原大芽の2人は今季ウエスタン・リーグで9勝を挙げて最多勝のタイトルを分け合った。来季は1軍の座を狙う存在になる。14年のドラフト1位・松本裕樹、15年のドラフト1位・高橋純平も飛躍を期待されている。
現時点で、田中正義の立ち位置はどこにあるか。大卒即戦力、最速156キロの能力を考えれば、中田、東浜と摂津らベテラン勢の間に割って入る存在と見るべきか。2月に宮崎で行われる春季キャンプ、そして、3月のオープン戦でのアピールがモノを言うことになる。アマナンバーワン右腕の開幕ローテ入りへ向けて、12球団トップとも言える激しい競争が待ち受けている。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count