「鉄人」と「超人」の共通点 阪神移籍の糸井は金本監督のもとで輝けるか

35歳ベテラン外野手が阪神へ

 オリックスからFA宣言した糸井嘉男外野手が21日に阪神への移籍を表明した。阪神へFA加入するのは15年オフに中日からFA宣言した高橋聡文投手に続き2年連続11人目。バッテリー以外では07年オフに広島からFAとなった新井貴浩内野手以来9年ぶり5人目となる。

 35歳とベテランの域に入るが、走攻守3拍子そろった選手なのは間違いない。右投げ左打ちの外野手で苦労人。練習姿勢はストイックで、まるで彫刻のような肉体美……。かつてFAで阪神入りした金本知憲外野手(現阪神監督)との共通点は多いように見える。

 金本はプロ3年目、広島時代の94年に頭角を現し、外野手のレギュラーに定着。FA宣言して阪神入りした2002年オフは34歳だった。すでにベテランだったが、移籍2年目の04年に自身初タイトルとなる打点王を獲得。ベストナインには04~06年、08年と4度(広島時代と合わせ通算7度)輝いた。そして広島時代から阪神時代にかけて1492連続試合フルイニング出場、13686連続イニング出場の世界記録も樹立した。

 糸井はドラフト自由獲得枠で日本ハム入り。プロ3年目の06年4月に投手から外野手に転向して、09年にレギュラーに定着した。13年1月に交換トレードでオリックスに移籍。これまで首位打者1度、最高出塁率3度、盗塁王1度、ベストナイン4度、ゴールデングラブ賞7度。今季は自身初の全試合出場を果たし、日本ハム時代の09年以降、8年連続で130試合以上に出場している。

 現役時代に「アニキ」、「鉄人」と呼ばれた金本監督。阪神時代は日本一に届かなかったが、03、05年のリーグ優勝に大きく貢献した。一方の糸井はスバ抜けた身体能力から生み出される圧倒的なパフォーマンスで「超人」と呼ばれている。新天地となる阪神で優勝請負人、アニキ2世となれるか注目したい。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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