ハム日本一へ計り知れない貢献度 増井が刻んだ「21世紀初の記録」とは
セでは1992年の佐々木主浩氏が最後
今シーズン、2桁セーブを記録した投手は、パ・リーグで8人、両リーグ合わせて15人。2桁勝利を達成した投手は、パ・リーグで12人、両リーグ合わせて19人だった。そして、そのどちらも達成したのはもちろん、増井ただ1人である。
日本のプロ野球で救援投手にセーブという記録が与えられるようになったのは今から42年前の1974年からだが、その間に増井のように2桁勝利2桁セーブを達成した投手は、両リーグ合わせて29人。いずれも、球史に名を残す名投手ばかりである。
2桁勝利2桁セーブを記録した最後の投手を見ると、16年前の2000年までさかのぼる。現役時代「幕張の防波堤」と呼ばれ、現在は千葉ロッテの1軍投手コーチを務める小林雅英氏が最後だ。その時の記録は11勝14セーブ。惜しいところでは、2013年に埼玉西武のサファテ投手(現・福岡ソフトバンク)が9勝10セーブという記録を残した。セ・リーグでは1992年に達成した佐々木主浩氏(当時・大洋)を最後に、達成した選手は現れていない。
小林雅英氏は、この年がプロ2年目で、1年目は5勝5敗という成績だった。基本的に先発として起用されていたが、開幕後3戦連続で敗戦投手となり、中継ぎに配置転換される。その後4月25日の日本ハム戦に無死満塁から登板し、無失点で抑えるなどして結果を残すと、ウォーレン投手に代わって抑えを任され、2桁勝利2桁セーブを達成する。