ハム日本一へ計り知れない貢献度 増井が刻んだ「21世紀初の記録」とは

見逃せない栗山監督の決断

 この記録が両リーグ合わせて16年もの間達成されなかったことを考えれば、1シーズンの間に先発と抑えという異なる役割をこなし、両方で結果を残すことがどれほど困難か、ということがお分かりいただけるであろう。近年は、長いイニングを投げる先発の怪我のリスクを少しでも減らすために投手の分業化が進んでおり、達成への難易度はさらに上昇している。

 1週間に1度、予告先発として指名され、誰も触れていないまっさらなマウンドに立つ花形ながら、勝敗の責任の大部分を負う先発投手。毎日のようにブルペンで肩を作り、一打逆転のピンチに颯爽と駆けつける救援投手。どちらも不可欠な戦力であり、野球の魅力の大きな要素である。若い先発陣、蓄積疲労が心配されるリリーフ陣の中にあって、そのどちらでも優れた成績を収めた32歳右腕の、チームの勝利への貢献度は計り知れない。

 日本ハムが日本一に駆け上がるまでの要所で、栗山監督の采配が光る場面が数多く見られたが、増井の先発への配置転換という決断も栗山監督ならではのことだろう。来季からは他球団からのマークが厳しくなることが予想されるが、激戦を戦い抜き、さらなる成長を遂げた増井の快投が来季もたくさん見られるはずだ。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

「パ・リーグ インサイト」編集部●文

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