大谷のメジャーでの二刀流起用に追い風? MLBのロースターが26人に拡大も
DH制のあるア・リーグで大谷を二刀流起用するならば…
NPBからメジャーに挑戦する日本人投手にとって、最も大きな問題の1つになっていたのが、中4日という登板間隔だった。28人の1軍メンバーから各試合25人がベンチ入りする日本では中6日での登板が基本で、移動距離の差などを考えても、メジャーの先発投手は日本と比べて圧倒的に負担が大きい。過酷なスケジュールの中、日本時代と同じパフォーマンスを発揮するのは困難で、よりタフさが求められた。
ただ、近年、メジャーでも負担軽減のために先発6人制の必要性を訴える声は増えてきており、移行を進めようとするMLB球団も出てきていた。大型連戦中にだけ6人制ローテを採用し、中5日で乗り切るチームもあったが、シーズンを通して考えると25人という枠の中でのやりくりがつかず、採用することは困難だった。ただ、26人枠となれば先発投手を1人増やし、6人制ローテに切り替える球団も出てくるかもしれない。
これは、将来的なメジャー挑戦を目指す大谷、そして米国でも二刀流を期待するファンにとって朗報だろう。今季、打者としても圧倒的なインパクトを残した大谷だが、米国内ではいまだに「メジャーでは投手1本で起用」という声が根強い。打者としても起用するために、最大のネックとされてきたのが、中4日という登板間隔だった。現在、日本ハムでは中6日の日程で可能となっている大谷の二刀流起用が中4日で実現可能なのか。肉体的負担も含め、非現実的とする声が多かった。
ただ、登板間隔が中5日になれば、状況は大きく変わる。それだけ、この1日の価値は大きい。特に、パ・リーグと同じようにDH制のあるア・リーグに移籍した場合は、具体的な起用法も見えてくる。中5日のうち、大谷を登板前後の1日ずつを除く3日間はDHとして起用。大谷が休養する2日はベテラン野手を負担軽減のためにDHで使う。こんな考え方もできる。これでも、メジャーでの二刀流起用における肉体的負担は限りなく大きいが、中4日よりは可能性が広がることは確かだ。
もちろん、現在メジャーでプレーする日本人投手にとっても、所属球団が先発6人制を採用すれば、大きなプラス材料となる。難航している労使協定締結交渉の行方に、大きな注目が集まる。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count