ドラ1高橋も1軍デビューせず ホークスの新人6選手、今季成績は想定通り?
じっくり育て、常勝軍団の土台を固めるソフトバンク
◯5位 黒瀬健太(初芝橋本高) 内野手
▽ウエスタン・リーグ
15試合 43打数8安打 3本塁打 6打点 打率.186
▽3軍戦
71試合 230打数48安打 2本塁打 31打点 打率.209
16年のルーキーで最も結果を残したのは、この男かもしれない。打率.186と低調ながら、ウエスタン・リーグで3本塁打を放った。高校通算97本塁打の触れ込み通りのパンチ力を見せてくれた。まだまだ確実性には欠けるものの、やはり長打力は魅力。いつも笑顔を絶やさない、その姿勢も好感を持てる。
このオフは柳田悠岐が、糸井嘉男(FAで阪神移籍)らとともに行うグアム自主トレに参加予定。球界を代表する打者から、打撃の真髄を学び取り、来季の成長の糧とする。
◯6位 川瀬晃(大分商高) 内野手
▽ウエスタン・リーグ
30試合 50打数8安打 0本塁打 2打点 打率.160
▽3軍戦
58試合 167打数45安打0本塁打12打点 打率.269
16年のルーキーの中で、最も2軍で出場機会を得たのは川瀬だった。ケガ人などのチーム事情で内野手が不足がちだったこともあり、ウエスタン・リーグ30試合に出場。守備面ではそれなりの安定感を見せていたが、打率.160止まり。3軍ではチーム内で上位となる打率.269のアベレージを残しているだけに、2軍レベルにも対応したい。
今オフは同じ大分県出身で、遊撃手の先輩の今宮健太の自主トレに参加する予定。黒瀬のように、球界を代表する選手のエキスを吸収する場にする。
成績を見れば明らかだが、ソフトバンクの育成方針はハッキリとしている。高卒新人は基本的に3軍戦で経験を積み、そこでの成長が認められて、ようやく2軍での出番をつかむ。そして、2軍の中での競争の末に、定位置をつかみ、そこで結果を残した先に1軍への道が開ける。
15年のドラフト指名選手を期待外れと言うなかれ。あくまでこの育成方針に沿ってのことで、想定通り。ドラフト1位の高橋純平に限れば、来季の1軍候補に入るかもしれないが、ほかの5選手は入団から3年、5年後を見据えている。じっくり育て、常勝軍団の土台を固める。確たる信念に基づいて、ソフトバンクは育成を進めていく。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count