韓国出身の大投手が“不名誉ランキング”に選出 MLBの「最悪なFA契約」で3位

ア・リーグ移籍後に「成績下落」の朴賛浩、メジャー史の「13のワーストFA契約」は?

 3位に選出されてしまった朴賛浩は、韓国の大学を中退して渡米し、94年にドジャースに入団した。マイナーから昇格を勝ち取り、3年目の96年にメジャーに定着。97年からは先発ローテーションに入り、5年連続で29試合以上先発、13勝以上と安定した成績をマークした。00年には18勝(10敗)を挙げ、01年にはリーグ最多の35試合に先発して15勝11敗、防御率3.50。9年間で通算275試合に登板し、84勝58敗、防御率3.77と素晴らしい成績を残して、FAとなった。

 そして、5年総額650万ドル(約73億8000万円)という好条件でレンジャーズと契約したが、その後は負傷も重なり成績が急下降。記事では、「ナショナルリーグの打者を相手に、ドジャースでは181試合に先発し、優秀な成績を収めた」と評価しながら、レンジャーズ移籍後については「アーリントンではアメリカンリーグの打者を相手にしたが、成績は下降した」と振り返っている。「2005年にサンディエゴにトレードされるまで、レンジャーズで朴は68試合に先発し、防御率5.79を記録した」。大型契約の期待に応えることはできなかった。

 朴賛浩はその後、メッツ、ドジャース、フィリーズ、ヤンキース、パイレーツと渡り歩き、主に中継ぎを務めた。ドジャースに復帰した08年は地区優勝に貢献したものの、結局、完全復活はならず。最終的にメジャー通算476試合登板で124勝98敗、防御率4.36という立派な成績を残し、NPBのオリックス、KBOのハンファと渡り歩いて12年限りで現役を引退した。韓国人プレーヤーとしてメジャーに歴史を刻んだ偉大なプレーヤーだが、FA契約では不名誉なランキング入りとなってしまった。

 記事でワースト13に選出されたFA契約は以下の通りとなっている。(金額は現在のレートで換算)

13位 デニー・ニーグル(ロッキーズ)
2000年 5年総額5100万ドル(約58億円)

12位 ブルース・スーター(ブレーブス)
1984年 6年総額1000万ドル(約13億5000万円)

11位 メルビン(B・J)・アップトン(ブレーブス)
2012年 5年総額7200万ドル(約81億7000万円)

10位 モー・ボーン(エンゼルス)
1998年 6年総額8000万ドル(約91億円)

9位 ゲイリー・マシューズ・ジュニア(エンゼルス)
2006年 5年総額5000万ドル(約56億7500万円)

8位 ジェイソン・ベイ(メッツ)
2009年 4年総額6600万ドル(約75億円)

7位 フアン・ピエール(ドジャース)
2006年 5年総額4400万ドル(約50億円)

6位 カール・パバーノ(ヤンキース)
2004年 4年総額3900万ドル(約44億3000万円)

5位 ショーン・フィギンズ(マリナーズ)
2009年 4年総額3600万ドル(約41億円)

4位 ジェイソン・シュミット(ドジャース)
2007年 3年総額4700万ドル(約53億3000万円)

3位 朴賛浩(レンジャーズ)
2002年 5年総額6500万ドル(約73億8000万円)

2位 マイク・ハンプトン(ロッキーズ)
2000年 8年総額1億2100万ドル(約137億3000万円)

1位 ジョシュ・ハミルトン(エンゼルス)
2012年 5年総額1億2500万ドル(約142億円)

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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