井口資仁が球界最年長に 35歳以上で来季迎えるパ・リーグの大ベテランは?
日本復帰で最多勝を獲得した左腕
【オリックス・中島宏之】
1982年7月31日生まれ、34歳
96試合314打数91安打8本塁打47打点 打率.290
中島は今季、日本球界復帰2年目。登録名を「裕之」から「宏之」に変更して臨んだシーズンだった。一般的に、渡米した野手が再度日本球界に適応するにはある程度の時間を要すると言われるが、2年目の今季は後半戦から打撃が絶好調。交流戦終了時に.234だった打率を最終的には.290まで上昇させる活躍を見せた。
糸井がFAで移籍し、中島選手にかかる期待はさらに大きくなる。35歳となる来季、中島選手らしい華のある活躍が多く見られることを期待したい。
【福岡ソフトバンク・和田毅】
1981年2月21日生まれ、35歳
24試合15勝5敗 163回 157奪三振 防御率3.04
和田は、言わずと知れた球の出所が見づらいフォームから繰り出される「実際のスピードより速い」ストレートを武器に、並み居る強打者を翻弄するベテラン左腕。今季から日本球界に復帰し、4月12日の埼玉西武戦で復帰後初勝利を飾ると、そのまま勢いに乗って15勝を挙げ、いきなりパ・リーグ最多勝のタイトルを獲得した。
日本球界でのブランクを感じさせない輝かしい復帰1年目のシーズンとなったが、チームはリーグ優勝を逃し、悔しい思いは残ったはず。今季の投球を見る限り、未だ球界屈指の投球術に陰りは見えない。来季もきっと、芸術的な奪三振ショーを披露してくれることだろう。
今回紹介した、来季35歳以上となるパ・リーグの選手の中には、メジャーリーグに挑戦し、近年日本球界への復帰を果たした選手が少なくない。そもそも、渡米の機会に恵まれるということ自体が超一流選手の証であり、彼らがすでに球史に名を残す名選手であるということには、異論を差し挟む余地はないだろう。
年齢を重ねることでプロの選手としての高いパフォーマンスを維持することが困難になっていくのは避けられないことであるにも関わらず、現在も1軍で活躍しているそのパフォーマンスには本当に驚かされる。
年齢を重ねているということは、その分、経験を積んでいるということにもなる。1軍の戦力にならなければ現役を続けられないプロの世界で、何年にもわたる熾烈な戦いを勝ち抜いてきたという証拠でもある。若さや勢いだけでは乗り切れない場面で落ち着いて仕事を果たし、チームの雰囲気を引き締める役割は、ある程度の年齢に達した選手でなければ務まらない。日々変わっていく身体や感覚と向き合い、この厳しいプロ野球界を生き抜く円熟期の選手たちの、今後のさらなる活躍を楽しみにしたい。